注目の素材・白金

 白金は、化学の世界ではごく狭い範囲にしか用いられていません。というのは、化学反応は、そのほとんどが溶液中で行われるのですが、白金はそもそも反応しにくいので、化合物を作りにくいため溶液に溶けるような形にならないのです。そこで、触媒などの限られた範囲にだけこれまで利用されてきました。
 しかし、白金には他の金属にはない様々な触媒としての能力があり、それに代わる金属は未だに発見されていないのが現状です。そのため、車の排気ガス処理用の触媒や、石油の処理など、重要な用途が沢山あります。しかし、産出量は極少ないために、常に原料不足で、1g1万なんていう馬鹿みたいな値段がついています。
 それが、今みたいな状況になると白金の価格が更に値上がりしちゃったりするわけなんですけど、そうなると大変なんですよ。白金を別の金属で置き換えられないから、きっといろんな製品が値上がりしちゃうなんて結果になると思います。たとえば、ガソリンなどです。

 そんな白金ですから、化粧品などに入れたらきっと効果があるんじゃないか…!なんて思うのも無理はありません。特異な性質を持っているのが白金の特徴ですし。ただ、私は白金を化粧品や食品に入れてもほとんど効果ないと思うんです。むしろ、白金のナノパーティクルなんて入れたら、化粧品や食品の中の有機化合物が色々変化しちゃって、効き目が減るんじゃないでしょうか。そこがとても心配なのですが、私としてもこの流れは面白いので、白金入りのガムなど買って食べちゃってたりしますけど。