教員に必要な資質

 最近、どの都道府県の教育委員会でも、この件について色々考えてるみたいですね。今日は埼玉県、明日は東京都の教員採用試験で、きっとその答えの一端を見ることができるでしょう。私自身、明日の東京都教員採用試験を受験する身ですので、その点についてはとても楽しみにしています。
 ところで、教員に必要な資質を考える際に、一体何を基準に考えるのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか? 結論から言うと、この点だけを見ればそれでOK、ということはありません。教員として必要なのは、人間としての人格が正しく発達していることです。よく考えれば、人間として当たり前のことなのですが、出来ていない人も多いのです。と言っても、これだけでは"教師"としての資質とは言い切れないのではないかと私は考えるわけです。そこで、教師としての仕事から、それを考えていきたいと思います。
 教師としての最大の仕事は、私は「子どもがより良く生きていくための力を養っていくこと」だと考えています。それは、目標を自分で決め、目標に向かっていく為の手立てを考え、それに従って努力し、クリアしていくというプロセスであったり、それらのプロセスの中で必要な知識・技能を身につけることであったり、他人と協力するなどの様々なプロセスの在り方であったり、ということです。それらを子どもが身につけ、成長していくには、教師は様々な立場から子どもを観察し、アドバイスや手助けなど必要な手立てを講じていく必要があります。
 そうした教師の仕事の意義や内容を鑑みると、教師にとって様々な能力が必要になるということがわかってきます。例えば、観察力や分析力、指導力、カウンセリングマインドなどです。子どもをよく見て、その子どもにとって今足りないのはどんな部分なのかを分析し、それらを指導したり、時には相談相手になったりなど、実に様々な視点から子どもに接していく必要があります。そして、これらは一つとして欠けていていいというわけではないのです。
 従って、教師として様々な場面で必要とされる全ての能力が必要になるということがわかります。しかし、これらの力の全てを最初から身につけている人などほとんどいません。
 そこで、教師となってから、これらの力の中で自分に足りないものを身につけて、自分を高めていく努力をしていくことができることこそ、教師として最も重要な資質であると私は考えています。